心中天網島 河庄

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作品詳細

妻子ある男が魂抜けてとぼとぼうかうか…。柔らかな動きや自然な写実性を重視する上方和事の代表作。

大坂天満の紙屋治兵衛は、妻子がありながら遊女の紀の国屋小春に入れ上げ心中の約束をしていた。ある晩、小春逢いたさに北新地の茶屋河庄へやって来た治兵衛が門口で座敷の様子を窺っていると、客の侍に小春が治兵衛への愛想尽かしを言っているのが耳に入る。逆上した治兵衛は刃傷に及ぼうとするのだが、侍と見えたのは実は治兵衛の兄孫右衛門。兄の切々とした意見をきいて、治兵衛は小春と別れる約束をするのだが…。

遊女への想いに執着する愚かな男を上方和事ならではの柔らかさで表現した一幕。 鴈治郎(現・藤十郎)の治兵衛、我當の孫右衛門、翫雀(現・鴈治郎)の小春ほか。

(2005年/平成17年10月・歌舞伎座)

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