作品詳細
三浦屋の新造・白玉は、自分に入れあげている番頭の権九郎に、廓から連れ出してもらうが、そこへ白玉の間夫の牛若伝次が現れ、権九郎は池に突き落とされてしまう。一方、新吉原仲之町では、白酒売の新兵衛をなぶる男たちを、黒手組の親分・花川戸の助六が散々にうちのめして助ける。話を聞いてみるとこの白酒売は、偶然にも助六の父が殺害された場に居合わせており、その上なんと助六の恋人揚巻の父親だと知れて二人は驚く。そこへ紀伊国屋文左衛門がやってきて、助六の短気をいさめて刀を封印する。父の仇である鳥居新左衛門が助六に喧嘩を吹っかけてくるが、助六はこれに堪え、晴れて積もる恨みを晴らすのだった。
(2006年/平成18年5月・歌舞伎座)