作品詳細
材木商白子屋の一人娘お熊は、手代の忠七と密かにいい交わした仲。しかし家の商売の為に婿を迎えなければならず、途方に暮れていた。このことを知った髪結の新三は、忠七をそそのかし駆け落ちを勧める。ところが新三は、先にお熊を自分の長屋へ連れ込み、途中の永代橋まできたところで傘で忠七を打ちすえて去ってしまう。一方、白子屋からお熊を取り返すよう頼まれた弥太五郎源七という親分が、十両の金を持って新三の長屋へやってきて…。勘三郎が勘九郎時代に6度新三を勤め、十八代目中村勘三郎として挑んだ襲名披露の舞台。富十郎の弥太五郎源七、三津五郎の忠七と家主(二役)のほか、染五郎(現・幸四郎)の勝奴、菊之助のお熊の配役で江戸世話物の粋を。(2005年/平成17年5月・歌舞伎座)