作品詳細
鎌倉雪の下の浜松屋。美しい武家の娘が供の若党を連れ立ってやって来ます。婚礼の品物を選ぶ娘でしたが、万引きをした疑いをかけられ、打ち据えられてしまいます。やがて、万引きは誤解だったことが知れると、浜松屋幸兵衛から詫びの百両を手に入れ、悠々と立ち去ろうとする娘たち。ところが、その娘たちの前に一人の侍が現れ、娘の意外な正体が明らかに…。
五人の白浪(盗賊)が活躍することから「白浪五人男」の通称で知られる人気作。正体が見破られ、がらりと悪党の本性を現す弁天小僧菊之助の「知らざあ言ってきかせやしょう」から始まるせりふは、黙阿弥ならではの七五調が耳に心地よい名ぜりふです。やがて勢揃いする五人の姿は、まるで動く錦絵のように華やか。
(2022年/令和4年5月・歌舞伎座)