作品詳細
粋な鳶と小悪党のやりとりを鮮やかに描いた河竹黙阿弥の作。
加賀鳶と定火消しとの喧嘩がおき本郷界隈の人々は木戸を閉め切って怯えている。そこへ血気盛んな若い鳶たちが勢揃いするが、親分の梅吉と兄貴分の松蔵の説得を聞き入れ引き揚げていく。一方、菊坂の長屋に住む竹垣道玄は、百姓太次右衛門を殺害、懐中の金を奪ったうえ家では女房を虐待する悪党ぶり。ある日、姪のお朝の奉公先の強請を思いついた道玄は、女按摩お兼とともに主人に難癖をつけに行くが…。
幸四郎(現・白鸚)が鳶の梅吉と悪党の道玄という対照的な二役を演じ分け魅せる。
(2014年/平成26年3月・歌舞伎座)